"I字系誕生秘話"
2007年03月28日(水)西湖
1匹 天気:晴れ 手段:岸
月曜にジャッカルの小野様から電話があり「明後日西湖に来れないか」と。ナニゲに今月末は怒濤のピンチ的な忙しさで正直釣りしてる場合じゃないんですが、小野様のお願いを断るわけにもいかず。火曜日は宿に泊まって水曜日の朝イチだけ釣りをした。
I字系プロローグ
小野さんに「ホームページに書いて良いよ」って言われたので書きます。去年から雑誌にちょい出してる「I字系」は、オレが西湖でやってきた釣りの事なんです。ジャッカルから今度発売されるアイシャッドは、オレのチビアダーとかオオツカムシ、フラッシュトリックス、ピントリックスでやっていた釣りがベースになってるんです。
事の発端は、2年前の10月に西湖で開催されたバサーオカッパリオールスタークラシック。小野さんとは前からつきあいがあったので、大会前に西湖について聞かれた訳です。んで、当時、オレがやっていたスポットからワームからフックから泳がせから全部教えた訳です。その時、オレは米国に行ってたので、ヨメに代行をお願いして、前日プラへ。もちろん小野さんは自分なりの釣りも試したけど、オレの釣りが圧倒的に釣れたんです。この頃の話です。
そして大会当日。西湖ではほぼマックスのウエイトをだした小野さん。ルール上、河口湖でも1匹釣らないとダメで、そこで失敗して2位だったんだけど・・・。それでも西湖では完璧な試合展開でした。
つーことで、その釣り方が衝撃的だったようで、その釣り用のワームを作ろうって話になって、オレが使っているワームの種類・フックセットから始まり、一番のキモな「泳ぎ」と「スピード」をあれこれ伝えた訳です。チビアダーの飛距離・絶妙な浮力とオオツカムシの泳ぎがキモです。キモは一言で言えば「まったく動かないこと」です。ロールはダメ、頭を振ってもダメ、尻尾も動いてはダメ、蛇行はもってのほか。とにかくワームを全く動かすことなく水面をゆっくりスーーーーっと引けること。電話で「S字でなくI字がキモですよ」って言ったのが始まりです。
そんでですね、この手の釣り(表層ワームスイミング)はどこにでもある釣りです。特に夏~秋は有名なパターンです。何を今更?って感じですが、この釣りの一番のキモは「水温ヒトケタの春先でも釣れる事」なんです。夏~秋はI字系でなくてもじゅうぶん釣れます。速くてもダートしてもクネクネしても釣れる時は釣れますよね。けど、水温4℃のクリアレイク(3月の西湖)では、たぶん厳しいでしょう。そんな状況でも釣れるのがI字系な訳です。ちなみにこの状況では沈め系のワームはほとど釣れません(魚が逃げる)。
因みに去年の冬に琵琶湖方面のBRUSHというサイトで、I字系云々っていう動画が流れてましたが、あれはあれで全然OKです。実際12月の琵琶湖でトップで釣れてたし。けど、他を圧倒するのは、何やっても反応しない超神経質なバスに喰わせる「激スロー&激真っ直ぐ&激動かない」のがI字系のキモです。あの動画のは動きが速すぎでした。何度も言うけど、あれはあれでOK。あの状況なら問題なし。
I字系プロト
そんな訳で、去年の6月頃に小野さんが試作を初めたようで、何度か電話で話をしてました。夏頃にプロト一号を貰ったのですが、正直イマイチ・・。首振り過ぎでした。
↑去年の夏に野池でテストしてた時の。この時期は首を振ろうがなにしようが釣れるんですけどね。
そんで、今年の初めにプロト何号か知らないけど、フィッシングショーに出ていたタイプのを貰いました。でも、この試作も正直オレ的に動きはイマイチ・・・。
で、長かった前ぶりが終わり、ようやく今日の話です。だいぶ良い感じに出来たらしいので、最終テストを行うためにわざわざ小野さんが来てくれた訳です。
色と比重の違う4種類があって、さっそく西湖でキャスト!飛距離は文句なしレベルでした。チビアダー並みに飛んでいく。そして肝心の泳ぎは・・・・
ダメだしするつもりだったけど、ナニゲに完成度が素晴らしくUPしてた。
比重が重いタイプはほんの少し首を振るかなーって気はするけど、軽いのは合格。浮力は文句なしで、相当ゆっくり引いても沈まずにキレイなV'字引き波をだしてくれます。ただ、細軸じゃないと厳しいか?そんで、ワームの頭の整形が雑だと綺麗に泳がないんだけど、その点は文句なしにキレイでした。
オフセットではOKですが、問題はマス針で泳がせた時。春先の激スローな甘噛みバイトをとるにはどーしてもマス針が必要になることが多い。マス針ちょん掛けで完全なI字泳ぎしてくれたら100点満点だけど、さすがにこれはちょっと厳しいか?ムシほどキレイに泳がないけど、チビアダー並みに泳いだので大丈夫でしょう。
そんな訳でしばらく泳がせチェックで時間が流れる。つーか、魚釣りたい!
なので釣ることに。
見えバスが昨日に比べて激減してるんだけど・・・。昨日の暖かい風で春のステップが更に進んじゃった?
半ば諦めかけた時、1匹の黒いバスがゆっくり追ってきた。引きしろが無くなったので、そのまま水平フォールさせる。I字系はもちろん水面で喰わせるのがキモっつーか醍醐味ですけど、複合ワザで、止めてゆっくり落として喰わせる場面も多々あるわけです。で、寒いときはバスもスローなので、ゆっくり落ちるワームとの睨めっこになるんです。どーすっかなーって悩むバス。この時、釣れるワームとそうでないワームって結構差がでるんですよね。それが色なのかボリュームなのか動きなのかニオイなのかシェイプなのかは知らないけど。
で、嬉しいことに、アイシャッドプロトは見事にパクっと食べられました。
チェイスからバイトまで一部始終2人で見てて感動(笑)
バッチリ!って、ホントウはオフセットフックで水面で喰わせたかったけど、昨日からその釣り方はダメだったのでしょうがないです。
「どーだ、小野君、ブラックはこーやって釣るんだよ」の図。
ウソです。小野さんに演技して貰いました。
その後、ムシ落としの代用も出来ることが判明し発売されたら間違いなくスタメン入り。試してないけど、ライブベイトリグも良いかもしんない。腹が重くなってるので、チビアダーみたいに縦刺しのジグヘッドとかは苦手と思われますが、基本的にベーシックなカタチしてるので、色々な使い方が出来るでしょう。キャロとかスプリットでもキレイにゆっくり沈んでいいかもしんない。I字に拘らず色々試せそう。
オレ的にはチャートとホワイトカラーを是非とも発売して欲しいんですが、一般受け悪いのでどーなることやら!
今年の西湖オカッパリスタメンはチビアダー、ムシ、ピントリ兄弟の3強にアイシャッドが仲間入りすることでしょう。
そんな訳で、風が出ちゃったので8時頃撤収!いやー何度見ても素晴らしい景色ですね。