OpenAIのDeepResearchに日本のバスフィッシング市場を調査してもらった
OpenAIのDeepResearchが使えるようになったので「日本のバスフィッシング市場について調査してください」と依頼してみた。初めて使うのでプロンプトがこれで十分なのかしらないし個人ブログとかも参照してるようだけど、出てきたレポートはけっこうちゃんとしててびっくりでした。数字の正確さは謎だけど、それ以外の情報は概ね合ってると思う。いやぁすげーっすね生成AI。
ってことで以下がその結果です。文中にでてくるURLリンクは参照元のようです。
日本のバスフィッシング市場レポート
市場規模と成長率
日本のバスフィッシング市場は、1990年代のブラックバスブームで急拡大しました。しかし2000年代初頭には外来生物規制の強化や人気の一巡により市場が縮小し、釣具の売上は約5年間で3分の1まで減少したと報告されています。例えば、1998年にはバス釣り用品の小売総額が約1,162億円でしたが、2002年には約454億円まで落ち込んでいます。当時のバスアングラー人口も推計で約400~450万人(2002年時点)と見積もられていましたが、その後10%以上減少したとされています。
近年はアウトドアブームの追い風もあり市場が持ち直しています。日本釣用品工業会の調べでは、国内釣り具市場規模(出荷ベース)は2012年の約1,754億円から2022年には約2,649億円と年平均成長率4.2%で拡大しています。特に2020~2021年は新型コロナ下で「三密」を避けられるレジャーとして釣りが注目され、2021年の市場規模は約1,790億円と2019年比で約27%増加しました。2022年は1,686億円(前年比94.2%)とやや減少しましたが、依然としてコロナ前の2019年より約20%高い水準を維持しています。2023年見込みは約1,492億円とさらなる調整局面にありますが、2024年には若干の回復が予測されています。世界的にもルアーフィッシング市場は成長傾向にあり、2030年まで年平均5.3%程度の拡大が見込まれている状況です。
なお、釣り人口自体は長期的には減少傾向です。2021年の日本の釣り人口は約560万人で、2000年代後半以降緩やかに減っています
。それでも釣りは10代から70代まで幅広い年代に親しまれ、依然アウトドアレジャーとして根強い人気があります
。また、一人当たりの年間釣具支出額は2015年に約3.1万円だったものが2020年には約4.6万円に増加しており、道具の高級化・高価格化により市場が支えられている側面があります。バスフィッシング愛好者も高性能なロッドやリール、ルアーへの投資を惜しまない傾向が強く、こうした消費単価の上昇が市場規模の維持・成長に寄与しています。
主要な企業やブランド
日本の釣具業界ではグローブライド(ダイワ)とシマノが二大トップ企業であり、世界市場でもこの2社が突出した存在となっています。国内市場ではこの2社に続いて、アブ・ガルシアやバークレイなどのブランドを持つピュアフィッシング(米国企業、旧ニューウェルブランズ傘下)が有力です。他にも多くの国内外メーカーがしのぎを削っています。主要企業の概況を売上規模とともに挙げると以下のとおりです。
- グローブライド(ダイワ) – 総合釣具メーカー。2019年度(2020年3月期)の釣具セグメント売上高は約780億円で、世界シェアトップクラス。淡水から海水まで幅広い製品を展開しています。
- シマノ – 自転車部品大手でもありますが、釣具部門売上高は2019年約728億円と国内2位。リールやロッドの高性能ぶりで定評があり、海外展開も積極的です。
- ピュア・フィッシング(アブ・ガルシア他) – 世界的釣具グループで、日本市場でも存在感があります。2019年の売上は推定約500億円とされ、ロッド・リールからルアーまで幅広く展開しています。
- がまかつ – フック(釣り針)や小物類の国内大手。グループ全体売上は約101億円(2016年)で、2019年の国内売上は47億円。高品質な針や仕掛けで知られ、海外売上比率も高いです。
- ジャッカル – バス用ルアーメーカー。2010年代に急成長し、売上は2015年約21億円から2019年には33.6億円に拡大しました。独創的なルアー開発とマーケティング力が強みで、現在も国内トップクラスのルアーブランドです。
- マルキユー – エサ(餌)メーカー。ヘラブナや海釣り餌で有名ですが、関連ブランドのノリーズを通じバス用ワームやルアーも展開。2017年時点で売上約49.7億円。
- ティムコ – フライフィッシング用品やルアー・ロッドを手掛けるメーカー。2019年11月期の売上約29億円。バスプロショップス等海外メーカーとも提携。
- メガバス – 高級ルアーメーカー。最盛期は大きく売上を伸ばしましたが、2015年度で約13.0億円。独自デザインのルアーやロッドがコアなファンに支持されています。
この他にも、エバーグリーン、OSP、デプス、DUO、レイドジャパンなど多数のバスフィッシング向けブランドが存在します。それぞれ数億~数十億円規模の売上を持ち、独自のルアー開発力やプロスタッフの情報発信力で一定の市場シェアを占めています。特に日本のルアーメーカーは製品の精度や革新性で世界的にも高い競争力を持ち、海外で日本製ルアーが人気になる事例も多いです。総じて、日本の釣具市場は少数の大手メーカー(ダイワ、シマノなど)によって牽引されつつ、多種多様な中小ブランドがニッチ分野を支える構造になっています。
人気の釣りスポットや地域
ブラックバスは日本全国の湖沼や河川に生息しており、各地に有名な釣りスポットがあります。中でも**琵琶湖(滋賀県)**は日本最大の湖で、「バスフィッシングの聖地」として知られる代表的なフィールドです
。琵琶湖では世界記録級の大物が釣り上げられたこともあり(2009年に約10kgの個体を記録)、トロフィーサイズのブラックバスを求めて国内外からアングラーが訪れます。ただし琵琶湖では外来魚駆除の観点から捕獲後のリリース(放流)が禁止されており、釣ったバスは基本的に持ち帰り・処分するルールになっている点に留意が必要です(詳しくは後述)。
首都圏で人気なのが**霞ヶ浦(水系)**です。茨城県に位置する霞ヶ浦は日本で2番目に大きい湖で、関東屈指のバス釣りエリアとして古くから知られています
。広大な本湖に加え、北浦や西浦、外浪逆浦(そとのさかうら)など付近の水路・湖沼を含めた霞ヶ浦水系全体がバスフィッシングフィールドとなっており、初心者から上級者まで楽しめるポイントが豊富です
。都心からのアクセスも比較的良いためトーナメントも頻繁に開催され、関東のバス釣り文化の中心地となっています。利根川(水系)も含めた流入・流出河川では流れの中での釣りが楽しめ、多彩な攻略法が試せます
。
また、富士山麓の**河口湖(山梨県)**も有名スポットの一つです。富士五湖の一つで風光明媚な観光地でもあり、景色を楽しみながらバス釣りができます
。漁協によるブラックバスの放流(※増殖許可に基づく放流)が行われてきた歴史がありポイントも多数存在しますが、山梨県も近年ブラックバスのリリースは禁止となっています。そのため釣った魚の扱いには注意が必要ですが、観光客も含め年間を通じて多くの釣り人が訪れます。
関東・関西以外では、東北の**桧原湖(福島県)**がスモールマウスバスの名所として知られています。桧原湖は磐梯山の麓に位置する高原の湖で、水質が澄んで景観も美しく、日本有数のスモールマウスバス生息地です。夏場にはトーナメントも開催され、小型ボートでのゲームフィッシングが盛んです。長野県の野尻湖・木崎湖などもスモールマウスの釣れる湖として人気があります。
その他、日本各地には大小さまざまなバス釣りスポットがあります。関東なら相模湖や印旛沼、亀山湖(千葉県)、関西では野池群やダム湖(池原ダム[奈良県]・七色ダム[三重県]など)、九州でも遠賀川(水系)やダム湖でバス釣りが楽しまれています。特に**野池(のいけ)**と呼ばれる農業用ため池や小規模な貯水池は全国に点在し、地元のアングラーに愛される身近なポイントです
。アクセスが容易で静かな環境であることから、これら野池で手軽にバスフィッシングを楽しむ人も多く、各地域に密着したバス釣り文化が根付いています。
主要な消費者層
バスフィッシング参加者の層を見ると、男性が中心ではあるものの近年女性アングラーも増加傾向にあります。2021年時点で釣り人口全体に占める女性の割合は約23.4%と、男性約76.7%に対し4人に1人が女性となっています
。以前は女性比率が1割程度とも言われていたことを考えると、釣り全体で女性の参入が進んでいることがわかります。ブラックバス釣りに限っても、釣具メーカー各社が女性向けのデザイン製品を投入したり、有名女性アングラーがメディアで活躍するなど、裾野拡大の動きが見られます。
年齢層については、バスフィッシングは若年層に人気が高いジャンルです。黎明期から「バス釣り少年」などと呼ばれる言葉があるように、中高生や20~30代の若者が主な担い手となって発展してきました。実際、2000年代前半の調査では「バスフィッシングは子供から30代くらいまでの青少年が主流を占める」という分析もあります。1990年代のバスブームで釣りを始めた世代が現在40~50代となりコア層になっていますが、一方でその下の世代の新規参入が課題とも言われます。スマホゲームや他の娯楽が多様化する中、若者の釣り離れも指摘されていますが、近年はYouTube等のSNSで人気プロアングラーの発信を見て釣りを始める高校生・大学生も出てきており、一定の関心は保たれています。
またバスフィッシングは地方在住者だけでなく都市圏の若い会社員層にもファンが多いです。週末に車で郊外のフィールドへ出かける趣味として定着しており、釣行帰りに釣具店でルアーをまとめ買いするといった消費行動も一般的です。前述の通り近年は釣具の高価格化が進んでいますが、高性能なベイトリールやカーボンロッド、最新ルアーへのニーズは根強く、熱心なバサー(バス釣り愛好家)は年々高価な道具を購入する傾向にあります。このように、バスフィッシング市場の主要消費者は若年~中年の男性層を中心に、情報感度が高く道具へのこだわりが強いアクティブな層だと言えます。一方でファミリーフィッシングとして子供と一緒にバス釣りを楽しむケースや、女性同士で釣行するといった姿も徐々に増えており、市場拡大のポテンシャルとなっています。
イベントやトーナメントの動向
日本のバスフィッシング界には数多くの大会やイベントが存在し、競技志向の釣り人やファンを惹きつけています。中でもJB TOP50とBasserオールスタークラシックは二大注目トーナメントです。
JB TOP50は国内プロトーナメントの最高峰シリーズで、年間5戦程度が開催されます。約50名のトッププロが参加し、各試合ごとに総重量で順位を競います。賞金額は大会にもよりますが優勝賞金は非公表ながら概ね200~250万円程度とされ、プロとして生計を立てるにはスポンサー収入が欠かせないのが実情です。JB TOP50で年間上位に入ることは国内プロのステータスであり、上位成績者には年末のジャパンスーパーバスクラシックなど特別大会への出場権も与えられます。JB(日本バスプロ協会)傘下では他にJBマスターズやJBNBCチャプター(地方予選)など階層化された大会制度があり、草の根からプロへの道が整備されています。これらの大会は主に河口湖、霞ヶ浦、北浦、七色ダム、桧原湖など全国各地のフィールドで開催され、各地の地域振興にも一役買っています。
一方、**Basser Allstar Classic(バサーオールスタークラシック)**は釣り専門誌『Basser』が主催する招待制トーナメントで、ファン投票や実績により選抜されたトッププロが一堂に会する夢の舞台です。毎年秋に開催されることが多く、開催地は霞ヶ浦水系(利根川含む)の河川エリアが定番となっています。出場選手は約25~30名程度ですが、大会当日はメーカーやショップのブースが並ぶお祭りイベントとなり、2日間で延べ15,000人を超える観客が訪れる国内最大規模のバス釣りイベントです
。例えば2018年大会では2日間合計で15,000人以上の来場者を記録し、ブラックバスが地域に人を呼び込む観光資源として機能し得ることを示しました
。大会自体の賞金よりも、副賞やスポンサーから提供される賞品(過去には高級バスボートが贈られた例もあります)および栄誉が重視されるイベントで、優勝者には「オールスタークラシック覇者」という名誉が与えられます。
他にも、日本独自の団体である**W.B.S. (World Bass Society)**によるプロチームトーナメントが霞ヶ浦で開催されています。W.B.S.は2人1組でボートに同船し5匹の総重量を競う形式で、1970年代に米国からトーナメント文化が伝わった草創期から活動する歴史ある団体です。近年はYouTubeでライブ中継を行うなどファン層の拡大に努めています。またアマチュア向けには各地のローカルトーナメントや大学生トーナメント、メーカー主催の大会(例:OSP杯、deps杯など)も多数開催されており、バスフィッシング競技は裾野が広いです。
日本のプロバサーの年間獲得賞金は、欧米と比べると高額ではありません。米国B.A.S.S.エリートシリーズやバスマスタークラシックでは**優勝賞金が数十万ドル規模(約3,600万円)**になるのに対し、日本ではJBトップ50でも数百万円程度に留まります。しかしその分、多くのプロがYouTubeやテレビ、雑誌でのメディア活動、また自身のルアー開発・プロデュースによる収入などで活躍の場を広げています。釣具メーカーにとってもトッププロは広告塔であり、スポンサー契約や大会協賛を通じて市場を盛り上げる重要な存在です。特にオールスタークラシックのようなビッグイベントでは80以上の企業ブースが出展するなど
、業界を挙げてのPRの場ともなっています。総じて、日本のバスフィッシングイベントは賞金額こそ控えめなものの、参加者・観客の熱気や産業界の支援によって活発に運営され、市場活性化に寄与しています。
法規制や環境保護に関する情報
ブラックバス(オオクチバス、コクチバス)は、日本では特定外来生物に指定されており、法律・条例面でいくつかの規制があります。2005年施行の外来生物法により、生きたブラックバスの無許可飼養・運搬・放流等が禁止されました。ただし釣りそのものは規制対象ではなく、釣ったその場で生かしたまま放す(いわゆるキャッチ&リリース)行為自体は外来生物法では禁止されていません。また、釣ったバスをその場で締めて(殺して)持ち帰ることも問題ありません。要は「生きたまま別の場所へ移動・拡散させない」ことが法律の趣旨であり、釣り大会などでも計量後に同じ水域へ魚を戻す措置が取られています。
一方で、各自治体レベルではより厳しいルールを定めているケースがあります。代表的なのが滋賀県で、滋賀県では条例により琵琶湖で釣ったブラックバス・ブルーギルの再放流(リリース)を全面的に禁止しています。このため琵琶湖の釣り人は釣ったバスをクーラーボックスに入れて持ち帰るか、捨てる場合でも死魚として廃棄する必要があります。同様に新潟県、山梨県、長野県、岐阜県なども県内全域でブラックバス等のリリース禁止措置を取っています
(特定水域で例外規定を設ける場合もあります)。その他の多くの道府県ではリリースを禁止する法令はありませんが、各地の内水面漁業協同組合が独自に外来魚駆除を進めていたり、釣り人へリリース自粛を呼びかけるケースもあります。釣行の際は事前にそのフィールドのルールを確認し、指示があれば従うことが重要です。
環境保護の取り組みとしては、ブラックバス釣りにおけるキャッチ&リリースの推奨と外来種駆除の両立がテーマになっています。釣り愛好者の間では長年「釣った魚はなるべく傷つけずに逃がす」倫理観が育まれており、特にバスフィッシングではリリース文化が根付いていました。しかし在来生態系保全の観点からはリリースせずに駆除すべきとの声も強く、意見が分かれるところです。現在の法制度では前述のように国としてリリース禁止まではしていないものの、各地で外来魚駆除イベント(駆除大会)が開催されたり、自治体が捕獲協力者に報奨金を支払う仕組みを設けるなど、バスの生息数抑制策が講じられています。例えば滋賀県では漁業者が年間何十トンものバス・ブルーギルを捕獲し駆除していますし、霞ヶ浦水系でも流入河川での駆除網設置などが行われています。
こうした状況の中、バスフィッシング業界団体や釣り人有志も環境との共生に向けた取り組みを進めています。公益財団法人日本釣振興会や釣具メーカー各社は、釣り場の清掃活動や、在来魚保護と両立可能な大会運営方式の模索などを行っています。実際、近年のBasserオールスタークラシックでは資源保護のため魚を会場に持ち込まない「デジタルウェイイン方式」(計量を各ボート上で完結し速やかにリリース)を採用するなど、新たな試みも始まりました
。今なお違法放流や密放流で生息域を広げてしまっている問題は残りますが、釣り人側も**「これ以上生態系に悪影響を与えずにバスフィッシングを楽しむにはどうすべきか」**という意識を高めつつあります。
総じて、日本のバスフィッシング市場は独自の法規制環境下で発展してきました。法律と条例を順守しつつ、釣りというレジャーを持続可能な形で楽しむために、業界・行政・アングラーが協力して環境保全に取り組んでいます。適切な資源管理のもとでブラックバスと共存し、次世代に健全な釣り文化を受け継いでいくことが市場の持続的成長にもつながると期待されています。
参考文献・出典:日本釣用品工業会「釣用品国内需要動向調査報告書」、レジャー白書、環境省資料、業界ニュース記事、『つり人』誌他
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カテゴリ:釣り